<2006.11.15〜> 出猟日記2006

始めに
この数年で表面化した憂いは 各地から届くようになった
野生鳥獣による数々の事件事故 或は共存を許せない
程に深刻化した 一部種の偏った増殖等で
有識者等によって位置付けられた ”森の番人” として
重責を担う存在は 急激な高齢化と減少により 責務を
果たすに怪しく成り出した 合わせ里山の荒廃無人化は
人と野生との緩衝帯を失わせ 方々で騒ぎを起している
この活動に携わる其々想いと願望は 自然環境の未来を
如何にして後世に渡せるかがテーマと成っている

                          oozeki
(2006.11.18−19)曇り後雨
今年もこの季節がやって来た 紅葉から落葉の過程は年々遅れ 山野に人の手が入らなく成って久しく荒れ放題
森の中は 更に見通し悪く成っている 野獣の痕跡はある本谷沿いに集中 直ぐ近辺での寝屋構えが見受けられ
勢子と猟犬二頭による念入りな捜索に掛かる しかし無線連絡による山中の痕跡は薄く 守備ライン超えたものは
鹿二頭だけとなった それも微妙にルートを代えて   早期の今 まだ追い詰める存在は夜半麓を徘徊 足跡を
記し夜明と共に奥へと寝屋帰りしてるのかもしれない 又今月一杯林道工事が続く事で 有望な狩り山も入れず
後一月位は 例年道理こんな按配なのかもしれない。

(2006.11.26)曇り後雨
どうやら今期も出猟度に雲行きが怪しい 先回麓周辺に潜むモノが少なかった事で 長いこと攻める事の無かった
主峰から伸びた 尾根のピーク(604m)から勢子を入れる事に決め各自持ち場に散った きっと奴等一気の谷落ち
する事なく 一旦上向け回り込み此処まで来た尾根筋を超える 要所にライフル その先尾根のしゃくみに 以前
結果を残した若い衆を  其のまま暫らく尾根を進みピ−クを越え今度は下るその先で勢子にルートの念入りな説明
分かれた自分は その先主峰方面逃走ルートとなる場所へ駆けた  見慣れた笹付斜面を滑り落ち 倒木に銃を
預けGOの合図 直ぐ山が割れんばかりの鳴き込みに 勢子が先程配置した待ち場を示し注意を促してる。。。。。
若干の間を置いて 銃声 さてその成果は。。。 周囲は紅葉真っ盛りしばし忘れて見惚れつづけた


(2006.12.3)時雨れ
数年前の台風によって薙ぎ倒された 倒木を潜り
乗り越え ズルズルの山肌を高みへとへと目差す
この山の頂きまで出て 奥山への逃走ルートを
塞がないと。
考えていたより随分早く 待ち場は固めたようで
登り続けながら開始の決断をして勢子を動かした
背後遥か下手から 勢子による追い込みの声が
聞こえる さぁ頑張って追い立ててくれ

”わぁ!頂きは白だ” 冷たく強い北風は 北面の
谷を遡り 目の前に続く尾根から溢れる様に凄い
速さで一気に雲を運び去っていく 周りの高い場所は
真っ白になっている 此の侭凍り付き立ち木の1つに
でも成ってしまいそうだ。
勢子現在地確認 二段構えの追い込みに 自ら動き
尾根を下りだす パキッ・・パキッ・・ 姿は現さないが
確かに気配 声を潜め注意を促す 直ぐに左下手から
鳴き込み やはり奥山方面への逃走に掛かっている

幾らかの間を置き 一番奥に挙げた谷待ちにて二発
(2006.12.10)晴れ
あはっ 此処も跳んで来たんだぁ(^^; さっき駆け戻った山道を又下りながら呆れた この登山道は人が利用せずに
久しく 年々崩壊を続け急な斜面隣横切り或は抜け落ち 落とし穴状に成ってしまう 手掛りには張り渡されたロープ
それを頼りに一歩々足元を固め 冷や汗かきながらの行き来と成って居た
『#%&@・・・・』 無線機の向こうで勢子ががなりたててる? 奥に向ったと言ってるようだ 追い込みに掛かり中段まで
降り掛けていたのを回れ右逃走径路を塞がんと 慌て先程構えた地点に駆け戻る 視線は駆け抜けるルートを外さず
足元に目を落とす余裕は無かったようで どっと冷や汗が。。

(2006.12.24)晴れ
朝いちの作戦は 四本の少数で囲まんとならん この時期植物採取の住民が入ることから手配を急いだ 勢子が追い
上げる尾根口から反対側の待ち一本 位地の確保を頼み二人を伴い急な谷を登り出す 一番下は山道の崩れかけた
丸木橋の袂 本命と思われる中段に今シーズンから加わったベテランを 其処から更に登り掛けると 人が付けたかと
見間違うばかりの 踏み込まれた獣路3本 中段の待ちを10mばかり上げる。。。 これが後の失敗に繋がる迷いとは
その時は気づく事さえ無かった 更に高度を稼ぎ麓の人家が遥か下方に望め間も無く尾根のテッペンに 矢先を考え
反対側に主とする射場を構え腰を下ろし 放犬を促す この尾根の先勢子から離したとの連絡。。。。。。。。。。。。。。
一分もせず 起したモノに付いた犬はUターン 下の広く太い本流向け落としてしまった