狩猟とは (第3話)

ここでは こんな事も有るもんだと言う一件を・・・。

それはシーズンも始まったばかり 11月の良く晴れた日の事です
猟仲間 6名での出猟となりました。

狩山は大山で 各自それぞれの持ち場へと向い
私は 勢子2人を伴って
尾根の高みへと登り放犬

勢子の追跡ルートを確認
しながら 急斜面の原を
一人 横手へと進む。
早くも三箇所の谷待ちによる銃声 それぞれの状況報告を無線にて聞きながら 先へと進みます 
人一人がやっと立てる程の 急なやせ尾根を下りかけると 向かって右下方に居る勢子による
三発の銃声 確認の間も無く その方角より向いの原へと姿を現した四頭の雄鹿は かなりの速さで
狩山の裏手へと登り向かう。
立ち木のスクリーンと距離に 一瞬撃つのを躊躇いましたが 思いとは逆に 手は引き金に・・・
308Win ・180グレーンを全弾撃ち込みますが     やはり止まらない ?。

が ここで鹿は何を思ったか 撃ち込まれた方向を勘違いしてしまったのだろうか 先頭の大鹿は
裏山へ向けていた足を変えると あろう事か 私の立つやせ尾根へと三頭を引き連れ 一直線に
下って来ます     銃には残弾無く ポケットの替え弾倉へと手を伸ばしますが 間に合わない
真上より落ちてくる格好で 初めて私の姿へきずくと鹿は 躊躇いを見せながらも その角を向け
一気に向かってきます  やばい と思う瞬間 傍らに有る直径20センチ程の立ち木へ 身を預け
鹿の角を避けました。 

手を伸ばせば届くほどで鹿は ギヨロリと横目で睨み付け
尾根上を飛ぶように下って行きます

三頭目をやり過ごし 宙に浮いていた足がやせ尾根へと
戻りついたとき 遅れていた最後尾の若い鹿が 止まる
事も出来ず落ちてきます。
丁度 投げ捨てたような形になり 鹿は急斜面を谷底へと
転げ落ちていきます。

事がつかめずに キョトンと立つ鹿へと
急ぎ 弾倉を替え 薬室へと送り込み  止める事が
出来ました。


谷待ちをしていた 仲間の状況も良好のようで 早々の
終猟を決め それぞれの持ち場へ告げますが
今回 私自身の反省点は 少なく有りません

獲物の動きを決め付け 裏山へと抜けることと思い
込んでしまった事   行き先の確認に気を取られ 
弾倉の交換を怠った事  等々
 
このように反省材料は 沢山有るのでした。
今回の出猟は 幸運へ感謝しつつ下山とします。

                                                           OOZEKI