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≪重要文化財≫[紀州本万葉集]

【日本】| 鎌倉時代・室町時代

紀州本万葉集画像

万葉集は二十巻からなる歌集として知られるが、原本は伝わっていないため、正確な原形や成立年代は不明。現在伝わっている万葉集は平安時代以降に書写され、伝えられてきたものである。

 

この万葉集の写本二十巻のうち、第一巻から第十巻までは鎌倉時代末期に書写されたものであり、古い形式を留めている。また第十一巻から第二十巻までは室町時代末期に書写して補ったとみられる。表紙には金銀を用いて華やかに花鳥などが描かれている。

 

本品は明治45年に編集が始まった『校本万葉集』の対校本として取り上げられた際、当時の所蔵者であった神田孝平(1830~1898年)の名前をとり「神田本万葉集」と呼ばれたが、昭和年代初め、江戸時代は紀州徳川家に伝来したことを尊重し「紀州本万葉集」という名に戻された。

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