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★No.4 ある選手のプロ意識を感じた出来事

日々、選手と接している中で、いろいろな場面において選手の「プロ意識」を感じることがあります。今回紹介する話は、私がまだプロの選手と一緒に仕事をするようになって間もない頃の出来事です。試合はホームとアウエイで行われます。アウエイで行われる試合の場合、試合の前日に移動して、近い所だと試合終了後新幹線で名古屋に帰ってきます。私はチームが宿泊するホテルに選手より先に行って、夕食の確認・準備を行います。行きは一人で行き、試合後はチームと一緒に帰って来ていました。通常選手とは違う車両にのるのですが、その日は座席数の関係で選手と同じグリーン車にのっていました。お弁当を食べてほとんどの選手が寝ようとしていると、ある一人の選手が通りかかった車掌さんに「毛布ください」と声をかけました。季節は、夏。車内は程よく冷房がかかっていました。それから、随分たって一人のトレーナーさんと話をしていたとき、その選手のセルフケアの話になりました。トレーナーさんが言うには「あいつは、とにかく関節を冷やさないように気をつけているよ。夏でも靴下履くし、家で冷房入れないらしいよ」と話してくれました。私はその時、ふっとあの新幹線で彼が下半身に毛布をかけて寝ている様子が目に浮かびました。20人ほどの選手がいる中で、ただ一人冷房の入っている新幹線の中で毛布をかけていた姿が・・・よく「プロフェッショナルとはどのようなことを言うのでしょうか?」と聞かれることがありますが、自分の体に気を使い、常にベストコンディションを維持できることなのではないか。と思います。このことは口では簡単に言えますが、どんな環境、状況、精神状態でもできるかというと、強い精神力がないと継続できないことです。今回紹介した選手は30歳を超えてもJリーグで活躍しています。何もせずにこの世界で長く生き残ることは不可能だと感じた出来事でした。

 

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