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★No.9  選手の肉体改造計画

 スポーツ選手は、種目やポジションによって、筋肉量を増やしたり、体脂肪を落としたりすることが必要な場合があります。目的に合わせて身体を改造する為には食事の改善が不可欠ですが、実際に目的を達成するには、多くの障害を乗り越えなくてはいけません。例えば、食生活を変えることでストレスを感じたり、不慮のけがにより通常のトレーニングができなくなることがあります。その他、飲み会など外食の機会が重なることもあります。いずれの場合も、選手本人の強い意志と具体的な目標を持ち続けることが大切ですが実際は難しいものです。

 では、栄養士はどのように選手をサポートしていったら良いのでしょうか。
栄養士はただ単に食事のアドバイスをするのではなく、選手が目標に対するモチベーションを保ち、目標を達成するまで気長にアドバイスを続ける忍耐が必要となってきます。最終的には選手本人が「自分で体得したベストな食事方法」を知ることができるようにサポートすることが栄養士の役割だと思います。また、人それぞれ食嗜好・食習慣・食環境が違いますので、「理想を押し付ける」のではなく、栄養士自身が選手のできないこと、継続できない状況を理解してその対策を一緒に考えていく姿勢も必要です。選手に限らず、人は応援してくれる、結果を喜んでくれる人がいることで頑張れるものだと思いますので、少しでも良い傾向が見られたら、一緒に喜び、励ましながらサポートしていきましょう。

ここで、あるラグビー選手の食事改善の取り組みについてのアンケートをご紹介します。この選手は体重を維持しながら体脂肪を減少させ、一年をかけて肉体改造をしました。本人の意思とチームに栄養士がいたという環境が整ったことで良い効果を出すことができた一例です。


Q1.食生活を変えようと思ったきっかけは何ですか?
A1.日本代表の合宿でトップレベルの人と一緒に生活、プレーをしてみて個人のレベルをもっと上げたいと思った。その時、先輩が食事に気を使っている様子を見て、自分も食事を見直してみようと思った。

Q2.今までの食事の何から変えていきましたか?
A2.今まで食べていなかった朝食を食べるようにした。外食をする時は、揚げ物は口にせず、好きなアルコールも飲む量を控えた。

Q3.途中で嫌になったり、効果がでなくて辞めたくなったりしませんでしたか?
A3.嫌になりかけましたが、効果はすぐに出ないと思っていた。自分で決めた事なので最後まで続けようと思い実行した。また、チームに栄養士さんがいたのですぐに相談をすることができた。

Q4.食事を変えてみて良かったこと、体調の変化があれば具体的に教えて下さい。
A4.
疲れにくくなり、ラグビーをしていて身体が軽く感じた。

Q5.改善した食習慣でこれからも続けていこうと思っていることはありますか?
A5.三食きっちりとり、揚げ物など控え、野菜をしっかりとっていく事です。

Q6.食事にあまり関心のない選手にコメントを頂けますか?
A6.選手の中には怪我をしても食生活が原因ではないと考えるかもしれませんが、それができなかったら結局怪我にも繋がるし、後半にバテてしまい、良いパフォーマンスが出来なくなると思います。食生活を見直す前は僕もそう思っていたし、やはり実行しないと分からない部分が多々あると思います。選手が自分自身の事といい聞かせる事が大切だと思います。



 

 

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