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 勉強会の報告(第3回)


第3回「スポーツ栄養の実践・食事アドバイス編」

1)日時:平成16年1月18日(日)13:30〜15:00

2)テーマ 「スポーツ栄養の実践・スポーツ選手の食事調査」

3)参加人数:13人

4)勉強会の様子

 今回は、第二回勉強会「スポーツ栄養の食事調査編」の応用編として、食事調査の結果からどのように選手にアドバイスを行えばよいのかを勉強しました。食事調査記録表に書き込むコメントや、アドバイスする時にあると便利な資料など、実際に現場で使用した資料などを紹介しながら話を進めました。また、「栄養まめ知識」として、パンの種類による栄養素の違いをパンを試食をして頂きながら紹介しました。


1.食事記録をチェックするときのポイント

 食事記録の記入を依頼した選手から記録表が戻ってきました。さて、何からチェックしていきますか?

・食事時間を見る・・・・食事時間を見ると、選手の生活スタイルが分かります。規則正
            しい食事時間が理想ですが練習時間や仕事の関係で食事時間が
            まちまちになってしまうケースが多くあります。選手の生活ス
            タイルを把握し、実際とかけ離れたアドバイスにならないよう
            にしましょう。
・自炊か外食か・・・・・食事記録から自炊なのか外食なのか妻帯者なのか寮の食事なの
            かを把握します。外食中心の場合、メニューの選び方や不足する食
            品を自宅でとるようなアドバイスが必要です。

・食品数・・・・・・・・食事記録を見たとき、比較的栄養のバランスが良い食事は食品
            数が多いのが特徴です。また、食品数が少ない食事は同じもの
            を繰り返し食べていたり、コンビニ食の傾向が見られます。

・運動量と食事量・・・・食事記録には、運動内容も記録してもらいます。食事記録から
            体調不良や疲労が回復しない原因を見つけることもできます。

2.アドバイスを書くときの注意事項
 食事記録にはついつい多くのコメントを書いてしまいがちです。しかし、受け取った本人は「一体何をすればいいの?」と困惑してしまいます。アドバイスの内容はポイントを絞って、分かりやすく具体的に書くことが大切です。そして、必ず一つは「褒める言葉」を忘れずに。良い習慣は続けてもらうようにしましょう。

3.実際に食事記録にコメントを記入してみましょう
 今回は、実際に運動をしている方に記入して頂いた食事内容にアドバイスを書いて頂きました。アドバイスは、1、続けて欲しい食習慣 2、プラスするとよい食品 3、減らした方がよい食品 にポイントを絞って考えて頂きました。全員に発表して頂きましたが、とても良い視点でアドバイスができていました。



4.作っておくと便利な媒体
 アドバイスを行う際に必要な資料を作っておきましょう。普段からいろいろな情報を集めておくといざというときに役に立ちます。

<アドバイス用メニューの例>

自炊用 妻帯者用 簡単朝食メニュー 貧血予防食 フライパン1つでできるメニュー
ヘルシー夜食メニュー 間食メニュー 保存食を使って簡単メニュー 疲労回復メニュー
筋肉疲労対策メニュー 風邪予防のメニュー など


5.アドバイス後のフォローも忘れずに

 アドバイスをした後はフォローをしてください。会うことができない場合は、電話や手紙でフォローをすることができます。「はい、分かりました」とその場では理解したつもりでも、実際に実行してみると出来なかったり、分からないことがでてくるものです。普段の食生活を変えることはとても大変なことだということを理解して、理想だけを押し付けることのないようにフォローを行ってください。

6.「栄養まめ知識」〜パンの種類による栄養素の違い〜(担当:木村美智子 管理栄養士)

一口にパンといっても、いろいろなパンがあります。最近では、胚芽パン、ライ麦パンなど色のついたパンもあります。何だか身体に良さそう・・・と思っても何が身体に良いのか、どんな栄養素が多く入っているのかまではあまり知られていません。今回は、身体に良い栄養素の含まれるパンを紹介しました。
ライ麦パンや玄米パン、レーズンが入っているパンは食パンやロールパンに比べて、繊維、鉄分、ビタミンB1、亜鉛などが多く含まれています。ビタミン、ミネラルを多く必要とするスポーツ選手にとって、同じパンを選ぶなら、このような栄養素が含まれているパンがお勧めです。

 
 今回は、参加者全員に意見を伺い、多くの考えを聞くことができました。また、実際に食事アドバイスをするように、食事記録にコメントを書いて頂いたこともよい経験になったことでしょう。これからも、参加者がスポーツ栄養に触れて、学べる勉強会を企画していきたいと思っています。


最後に、アンケートから参加者の方の声を紹介します。

・ 今日はまさか当てられるとは思っていなかったので当った時はあせりました。でも、考えることができたことと、いろんな人の考えが聞けたことはとてもよかったです。(岡本めぐみさん 学生)

・選手に対する食事指導のやり方や食事チェックのやり方が分かってとてもよかったです。この勉強会で教えてもらったことはすぐに役立つことなので機会があったら実践したいです。(榎本好晃 学生)

※参加者の皆様にはアンケートにご協力して頂きありがとうございました。参加者のご意見・ご要望は今後の活動の参考にさせて頂きます。


※勉強会に関するお問い合わせはこちらまで:ymamiya@spice.or.jp


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