【第5回】
1)日時:平成16年7月11日(日)
2)テーマ 「選手を夏ばてさせない食事アドバイス」
3)参加人数:6人
スポーツ選手にとって、日本の暑い夏を乗り越えられる選手は一流の選手になるための最低条件だと言っても過言ではないでしょう。しかし、多くの選手は暑さによる食欲減退、体重減少、疲労に悩まされています。そんな選手の悩みを解決するために、栄養士がすべきことは何でしょうか?暑い夏こそ、栄養士の力量が発揮されます。
1.
夏ばてはなぜ起こるのか
(1)暑い、食欲がないからさっぱりしたものしか食べたくない
誰でも食欲がなくなれば、食も細くなります。しかし、毎日激しいトレーニングを積み重ねているスポーツ選手は食べなくては体がもちません。食べたくないから、食べないのではなく「食べる努力」「食べる工夫」をすることが必要です。
(2)発汗による水分必要量が増大
サッカー選手では一般的に夏場の練習前後では体重が2〜3kg減ります。それは汗となって流れ出た水分量です。練習前後はもちろん、普段の生活の中での水分補給が必要ですが、水分不足による食欲低下、疲労などもよく見られます。
(3)暑さによるストレス
暑い日差し、湿気などは身体的にも精神的にもストレスを与えます。ストレスに対して消耗される栄養素の補給も必要です。
(4) 冷房のかけすぎ
よくあるのが冷房をかけたまま昼寝をして風邪を引いた、のどを痛めたということです。冷房をタイマー設定する、窓を開けて自然の風も入れる、靴下を履く、などの配慮が必要です。しかし、冷房は体に良くないから、と言って夏場は冷房をかけないで過ごすサッカー選手も何人かいました。
(5)薄着
スポーツ選手はTシャツ、短パン、サンダル、、という格好で過ごすことが多いようです。しかし、室内(お店、車内、自宅の部屋)などはどこも冷房が効いています。特に飲食店では冷房が効いているところが多いものです。寒いところに長時間いることで関節が痛くなったり、体がだるくなったりすることがあります。タンクトップではなくTシャツにする、短パンではなく長ズボンにする、サンダルでなくスニーカーにする、、というちょっとした配慮で体調管理ができます。自己管理も一流選手になるために必要なことです。
2. 夏ばてを早く見つける方法
(1)体重の減少
(2)食欲減退
(3)不眠
(4)だるい、やる気がない、練習後の爽快感なし
夏ばてになる前には何らかの兆候が見られます。いろいろな角度から体調の変化をチェックして夏ばてになる前に、夏ばて対策ができるようにしましょう。
3.
夏ばてになったら何をすべきか
(1)原因を本人と探る(例:水分摂取が不足していたかも?)
↓
(2)なぜ、それが良くないのか説明する(例:脱水による悪影響を説明)
↓
(3)具体的なアドバイスする(例:どうやって水分補給したらよいか)
↓
(4)その後のフォロー(確認)を必ず行う(例;水分補給方法、体調の確認)
アドバイスをするときには上記の(1)〜(4)の流れが大切です。1つでも欠けると選手にとって意味のあるアドバイスにはなりません。時間をかけて、じっくりとアドバイスを行っていきましょう。
●スポーツの現場で使える!!簡単Recipe
担当:管理栄養士 木村美智子
ヌルヌル食品は消化を助けてくれる働きがあります。今回は夏が旬の「モロヘイヤ」を
使った 簡単料理をご紹介します。
*モロヘイヤ:カルシウム、鉄分、ビタミン類が豊富。夏が旬で価格もお値打ち。 さっと湯がいて使うと、気になる臭み、硬さもなくなります。
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<冷奴のモロヘイヤソースかけ>
★材料
・モロヘイヤ
・和風ドレッシング
・豆腐
★作り方
(1)モロヘイヤは熱湯でさっと茹でる。
(2)(1)を細かく刻んで、包丁でたたき粘りを出す
(3)(2)に和風ドレッシングを加える
(4)食べやすく切った豆腐に(3)をかける
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※最後に、アンケートから参加者の方の声を紹介します。
・
スポーツ選手の場合、一般的な人に対しての夏ばて予防よりも色々なことに配慮してアドバイスを行うことが重要であり食事面だけでなく生活習慣にも気をつけてもらうことが大切だとわかりました。(大学職員)
・ 今回の話を聞いて病院でも通じることだと思いますが、やはり栄養士とは人の気持ちが分かる人間であることが大切なんだと思いました。(病院栄養士 服部 誠) |
※参加者の皆様にはアンケートにご協力して頂きありがとうございました。参加者のご意見・ご要望は今後の活動の参考にさせて頂きます。
※勉強会に関するお問い合わせはこちらまで:ymamiya@spice.or.jp
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